生前葬

NHKのラジオ深夜便で「生前葬」についてある詩人が語っていた。

わたし、一度だけ「生前葬」にお呼ばれされた事があって、お香典を包んで市ヶ谷にあった大使館付属の集会所まで出かけていった。祭壇がちゃんと設けられ、本来ならそこにあるべき棺おけの所に、ご本人が座っていて「本日はお忙しいところようこそ」とニコニコしそして恥ずかしそうにいらっしゃったのが、わたしには新鮮であった。

スーツ姿のお坊さんも真面目にお経を読むし、こちらも真面目にお焼香(本当の線香ではなかった)などするし、そのうち本格的なお通夜状態になってしまうかなって思っていたら、場面は急転しご本人の娘さんが声楽家(当時は36歳)なので、ベートーベンの「よろこびの歌」など歌いだし、立席パーティの円卓にご本人が挨拶して廻っていたので「この度は御愁傷さまで・・・」だなんて言っておきました。

当時、わたしは23歳。。生前葬の本人は60歳くらいで勤めいてた設計事務所の所長さん。あれから30年が経って昨年、ご本人が亡くなったと聞いたが生前葬をやっているので、自分は行かなかった。それで良かったのかはわからない。

昨年、会社の女の子のお父さんが亡くなって、皆でお通夜に出かけた。祭壇に飾られたお写真と「ご導師の入場です・・・皆さん、手を合わせて・・・」なんていうアナウンスと共に入ってきた坊さんがその写真とそっくりだったのには正直びびった。

数年前、葬儀所の増築の設計をしたが葬儀所もいろいろと経営が大変らしく裏話を沢山と聞いた。倉庫にお坊さんが座る朱色の椅子が置いてあり、そして木魚も置いてあったので坊さん気分で座って木魚を叩かせてもらったが、あれは結構難しい。叩く場所がちょっとでもづれたら木魚の一定であるべき音程が崩れるのでお坊さんも裏ではトレーニングをきっとしているに違いないと思った。

最後に、知り合いの葬式で遺族が葬式のすべて(遺体も含んで)を一眼レフで記録していた。

ねぇ、写真とってどうすんの?って聞いたらブログにUPだそうで、他人が一番嫌うのが「家庭菜園」の話なのに、他人に葬式のすべてを見せ付けようとするその行為は「悪い趣味だな」と思った。
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by brighthorn | 2013-01-28 05:58 | from Brighthorn | Comments(0)